ｎａｓからサーバーをシャットダウンさせるスクリプトの中で使われていて、「　＜　」と何が違うのか解らなかったので具体的に調べて見ました。備忘録です。

• 「　＜＜　」　はヒアドキュメントと呼ばれているそうです
• 「　＜＜＜　」はヒアストリングと呼ばれているそうでこちらはなじみが薄いです

ヒアドキュメント(＜＜)はｂａｓｈに限らず、他のシェルやｐｅｒｌ、ｐｈｐなどでも使われており、 複数行の文をそのまま変数に入れたり、出力したりできます。
(2018/06/12 追記ここから)ｐｈｐのヒアドキュメントは「＜＜」ではなく「＜＜＜」だそうです。
ｐｈｐ素人です。済みません。(2018/06/12 追記ここまで)

例えば以下のように、区切り文字（任意でよい：仮に「ＥＯＴ」）で前後を囲めば良いようです。

cat <<EOT
> test
> 試験的な文
>　最後の行
EOT

実行結果は

test
試験的な文
　最後の行

のようになります。

一方でヒアストリング(＜＜＜)は私にはなじみがなく、入力リダイレクト(＜)と何が違うのか解らないので 確認してみました。以下実行結果です。

１．「ｃａｔ」で確認

str="abcdefg"

cat < abcd
-bash: abcd: そのようなファイルやディレクトリはありません

cat <<< abcd
abcd

cat < "abcd"
-bash: abcd: そのようなファイルやディレクトリはありません

cat <<< "abcd"
abcd

cat < $str
-bash: abcdefg: そのようなファイルやディレクトリはありません

cat <<< $str
abcdefg

cat < "$str"
-bash: abcdefg: そのようなファイルやディレクトリはありません

cat <<< "$str"
abcdefg

２．「ｔｒ」で確認

str1="hijklmn"

tr a-z A-Z  < abcd
-bash: abcd: そのようなファイルやディレクトリはありません

tr a-z A-Z  <<< abcd
ABCD

tr a-z A-Z  < "abcd"
-bash: abcd: そのようなファイルやディレクトリはありません

tr a-z A-Z  <<< "abcd"
ABCD

tr a-z A-Z  < $str1
-bash: hijklmn: そのようなファイルやディレクトリはありません

tr a-z A-Z  <<< $str1
HIJKLMN

tr a-z A-Z  < "$str1"
-bash: hijklmn: そのようなファイルやディレクトリはありません

tr a-z A-Z  <<< "$str1"
HIJKLMN

(2018/04/28 追記ここから)
追加でシングルクォート「’」とバッククォート「｀」もやってみました。

tr a-z A-Z < 'abcd'
-bash: abcd: そのようなファイルやディレクトリはありません

tr a-z A-Z <<< '$str1'
$STR1

tr a-z A-Z < `abcd`
コマンド 'abcd' は見つかりませんでした。もしかして:
 コマンド 'abcde' - パッケージ 'abcde' (universe)
 コマンド 'bcd' - パッケージ 'bsdgames' (universe)
 コマンド 'lbcd' - パッケージ 'lbcd' (universe)
 コマンド 'ascd' - パッケージ 'ascd' (universe)
abcd: コマンドが見つかりません
-bash: `abcd`: 曖昧なリダイレクトです

tr a-z A-Z <<< `$str1`
hijklmn: コマンドが見つかりません

ヒアストリングのシングルクォート「’」は変数が展開されず、変数そのものが渡されています。
ヒアストリングのバッククォート「｀」は変数が展開されて、展開された文字がコマンドと見なされてエラーが出ています。
(2018/04/28 追記ここまで)

結果：
「＜」はファイルまたはディレクトリが対象のようだ、エラーがでる。文字列や変数をリダイレクトするには「　＜＜＜　」が必要なようだ。